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チャッピーをみる(映画感想、ネタバレあり)

先週ぐらいにみた映画「チャッピー」が個人的にすごく良くて
だいぶ頭のなかでいろいろ考えてたのでそれを書く
ブログ移転してなにかひとつぐらい新規で書いときたいというのもあるし


なんというかまず舞台設定がいいと思った
目が離せなくなるというか、冒頭から「オイオイオイオイ大丈夫なのかよ!?」みたいな感じになって引き込まれるというかハラハラさせてくれる

まずチャッピー自身、体となるロボットは冒頭からでてはいるんだけどそのAIがはいるまではすこし待たないといけなくてそれまではサブキャラクターたちが話を進めていくんだけど
このサブキャラクターたちがまず揃いも揃って「お前らそれで大丈夫なの!?」みたいな行動ばかりするというか
チャッピーのAI開発者はAIを試したいがために会社に内緒でこっそりロボット持ち出すわ
後々チャッピーと関わることになるギャング三人組はもういきなり追い詰められている上に明らかに短絡的&アホで「ロボットならリモコンがあるはずだよ!ロボ刑事全部リモコンで止めちまおう!」とかなんの確証もないことを言い出すし(実際そんなリモコンはない)
スポットが当たるキャラの90%はそんな感じ

でやっとチャッピーが出てくるけど、AI入ったばかりのチャッピーは赤ん坊同然な上に
故障したボディに実験的にインストールしたものだから寿命はたった5日間
しかも育つ環境が切羽詰まったギャング三人組のアジトでこんな環境下でまともに育つわけ無いだろ!?っていう
しかもチャッピーがインストールされる前まで、チャッピーの体の方はボロボロに酷使されているのが描かれているのでなんか肩入れして見てしまうから心配で仕方なくなる

そこからは上記のような心配事を抱えつつもチャッピーはすごい速度で成長していって
これは他のAIロボットだとか賢いけど生まれたばかりな宇宙生物だとかがでてくる話で定番の
成長の面白さがあるし
置かれる環境下も過酷だから頑張れチャッピーって心配で応援し続けてしまう
そしてチャッピーはいろいろな影響を受けて行って物語も最後の事件へと進展していく



上記のようにエンターテイメントとしてすごく引き込まれるんだけど
お話のテーマというのもあるんじゃないかと自分は思ってて、それが「多様な価値観、倫理観、もしくは他の存在の許容」だと感じた

上で書いたようにどいつもこいつも「大丈夫なのかよ!?」とか「それはいいのかよ!?」みたいな行動取る奴が多いんだけど
そのなかでも最終的に悪役になるキャラがいてそいつは一段とやることが酷い

じゃぁ主人公のチャッピーだけは安心してみていられるのか、そいつらから不遇な扱いをうけるだけなのかというと本人があまりわかってないから、5日しか生きられないという状況が逼迫しているからというのは多分にあるものの決して褒められたものではない行動を起こす

だけどそれは全部見ている人の倫理観や価値観を揺さぶるための演出だった気がする


なんでそう思うのかというと
そんななかで最終的にチャッピーはその悪役的人物をぶっ飛ばしに行って実際「いやいやいや死んだろコレ!?」ってぐらい暴力をふるうシーンがあるんだけど
「許す」とかいって立ち去る、殺しはしない
(といっても腕とかわけのわからん方向に曲がりまくってるし十分にキツイ感じなのだけど)

なんというかチャッピー自身が自分を尊重するためにいろいろとやっちゃ駄目なことをやってきてしまっているし
殺さないとはいえ上記のぶっ飛ばしているシーン等完全に一方的な暴力シーンでチャッピーを善の存在として位置づけるのであれば完全にやり過ぎな描写
そこで殺すという完全排除までやってしまってはチャッピー自身も排除されて当然の存在になってしまうからではないかなと思った

そう考えると逆にこの悪役キャラクターは唯一チャッピーの存在を排除することを目的としていたわけで(他のキャラも殺しをしたりはするけど殺すのが目的なわけではない)真逆の立ち位置というか


上記のシーンで相手の価値観や倫理観を排除しないでその存在がある事自体は認めるというのがテーマなのじゃなかろうかと

 

それで最後にオチがあってそれは見る人によっては「それはいいの!?」って感じなんだけど
上のように価値観、倫理観の許容ということがテーマだったのだとすれば
あえて万人に受け入れられることはないだろうなというラインをオチに持ってきて
最終的に「あなたはこの結末、存在を許容できますか?」という流れだったんではなかろうか

とは言え自分は銃夢で脳みそがCPUだったことにショック受けて自殺したキャラとか見て
「いやいや自分がすでにロボだったら長生きできるし最高じゃん!」とか思った人なので
自分にとっては普通にハッピーエンドだったのだけども
(あのオチに嫌悪感ある人がいるというのは視聴後ネットで感想あさった時に見かけてから)



ただ見てる時は何も感じずにめり込んだのだけど上記みたいなことを考えているうちに
ちょっと引っかかることがいくつかだけはあった(ほぼ揚げ足取りみたいなもんでそれで面白さが損なわれるわけではないのだけど)

チャッピーは自分の開発者が辿りつけなかった科学的知識の地点まであっさり到達するんだけど
その割にナイフで人を殺すことを「ネンネさせる」というごまかしで覚えさせられたことに気づかなかったりするのは賢さに偏りがあるなーというのが一点

またチャッピーやその開発者と違って一人だけ最後に助かるキャラが「コイツだけ意識の移動じゃなくてコピーじゃないの?」って感じなのが
(チャッピーと開発者は意識が移動するとともに元の体がガクンとなって「ああ移動したんだ」っておもえるけどその人物だけは生きているうちに意識を取っておいて、とかなので意識、攻殻機動隊だとかでいうとゴースト?みたいなのが唯一の存在であるならその時点で体は活動停止しないとおかしいんじゃ?)



その二箇所ほど引っかかったけど本当に見てて面白かったし
テーマが自分が感じた通りのものであるならそういうところも自分がちょこちょこ思っているところではあるので
(嫁が旦那の趣味物勝手に全部捨てるとか、自分に関係ないのにこの世にそういうものがあるというだけで叩いて叩いて叩きまくるみたいな話題を見るたびに「いやほっとけよ、関わんなきゃいいじゃん!?」とイライラするタイプなので)
共感もできたからすごい良かった
DVDでたら買いたいなー
なんかカットされたシーンとかあるらしいし、自分はどこかわからなかったけど
(分かる人にはアクションのつながりがちょっとおかしいとか感じるらしい?)